現在、新戦略2021-2025の掲載に向けリニューアル作業中です。

零細農家が貧困から脱却するのには、農作物の生産性を向上するだけでは十分ではありません。農家は、一次産品に付加価値を付けるとともに、農業生産以外の分野を含めて、収入創出源を多様化することが重要です。

改良普及活動の強化

普及員(主に相手国農業省所属の、普及スタッフ)に対する能力強化研修は、SAAの事業の柱です。特に、活動対象国の多くでは、収穫後処理に関する知見を持った人材が不足していることから、当該分野の改良技術のデモンストレーションやキャパシティビルディングを、普及員、農家、起業家に対して実践していくことは非常に重要なのです。

研修やデモンストレーションを実施する、農家の学習のためのプラットフォームを設立するには、きちんと整備された施設や設備が必要です。つまり、農家が集まり、その技術の使用法やメリットを学べるような、戦略的に配置された施設が必要なのです。こうした拠点には、SAAが独自に開発したモデルであるウガンダのワンストップセンター(OSCA: One Stop Center Association)や、マリのニアタケネ(Niet@kene)農家組合センターの他、ナイジェリア農務省の関連団体である農業開発女性組合(WIAD: Women in Agricultural Development)、エチオピアの協同組合センターなどの農家組合が含まれます。

ポストハーベスト改良普及学習プラットフォーム(PHELP: Postharvest Extension and Learning Platform)は、2010年にニーズ・アセスメントを経て生まれたモデルです。活動対象国に配備された各プラットフォームには、現地で必要と特定された機材が備えられ、それらの利用・維持・管理については、ベーシックマネジメントコースの一貫として、希望する農家グループに、指導が行われ、彼らが将来ビジネスとして事業を実践できるようサポートが提供されます。

現在、PHELPはさらに進化をし、農作物を安全に貯蔵する倉庫サービスの機能や、信頼できるマーケットに販売する機能を持ち、ポストハーベスト&商業取引センター(PHTC)へと変容しつつあります。マネジメント層が適切な研修と指導を受けることで、センターは自律的な運営が可能になります。


密封式穀物貯蔵袋のデモンストレーション

収穫後処理(ポストハーベスト)・貯蔵システムの改善

収穫後処理の活動の多くは、テーマ1(農作物生産性向上活動)に取り組む、商業志向の零細農家の競争力を強化することを目指しています。テーマ2のスタッフは、農家が収穫後処理の質と効率性を向上できるよう支援します。

具体的には、穀物の破損や、ゴミやカビ、虫の混入がない状態に改善します。研修では、高品質な穀物を求める、市場の要件を農家が理解できるようにする他、改良された(機械化された)脱穀/乾燥・製粉/精米技術の紹介と普及を行います。また、貯蔵時のロスを減らすことは、食糧安全保障が低い農家だけでなく、商業志向の農家を含むすべての零細農家にとっての優先課題です。

農産物加工ビジネスの育成

テーマ2では、また、農産物加工グループの育成を通して、乏しく、食糧が不十分な家庭が農業生産以外の分野で雇用機会を得られるよう、活動しています。

具体的には、女性中心の農家グループが、地元で調達した農作物を加工し、近隣の市場や町で販売することで収入を得る支援を行っています。このような加工品は、家庭のレシピがベースとなり調理されていますが、家政学の専門家が技術的アドバイスを行うことで、栄養面でも、加工・包装における衛生面でも改善が図られ、消費者にとってより魅力的な商品作りを実現しています。これらの調理済み食品は、地方でも都市部でも人気が出ており、将来の農業ビジネスの発展の可能性を示しています

テーマ2では、農業生産を扱うテーマ1で支援する様々な農作物に付加価値を付ける農業ビジネスを、農村地域の住民、特に女性農家が取り組む支援にも関心を持っています。例としては、パーボイルド・ライスの生産や、落花生油の抽出、大豆調味料の生産、穀類の製粉などがあります。テーマ1で取り扱う農作物を中心にビジネス開発を行うことで、農作物生産性の向上、改善された収穫後処理や加工、市場へのアクセスによるメリットが生きるのです。このような統合的な活動こそが、零細農家を対象としたSAAの新たな開発モデルである、農業バリューチェーンを体現しているのです。


エチオピアの農産物加工グループ

民間サービス事業者の育成

収穫後処理と農産加工技術の普及に向けたSAAの戦略の1つとして、民間サービス事業者の振興を通じて、付加価値創出につながる機械化されたサービスを農家に提供する、というものがあります。その好例が、エチオピアのシャシャマニ地域におけるテフ(エチオピア固有の雑穀。主食の一つ)脱穀機の普及です。

機械でテフを脱穀するのに要する時間は、従来の伝統的な手法に比べてごくわずかであり、より清潔で、穀粒へのダメージも小さくなります。ただし動力脱穀機は、農家が個人で利用するには価格が高すぎるうえ、処理能力も過大です。そのため、小規模な商業ベースの脱穀事業者が、村々を周り、農家にサービスを提供するビジネスモデルが生まれました。現在ではシャシャマニ地域だけで、約350事業者がビジネスを行なっています。

このような小規模な農村ビジネスモデルは、トウモロコシやコメの脱穀・精米、小麦の製粉にも応用できます。現在SAAでは、他の重点対象国でもこの手法を応用し、民間サービス事業者を通じて、利益を生む可能性のある収穫後処理技術の普及行っています。中でも、農村の若者に焦点をあて、ビジネスとしての農業の可能性に注目しています。


村でメイズの脱穀サービスを提供する事業者

収穫後処理・農産物加工機械の供給とメンテナンスの推進

SAAは、収穫後処理と農産物加工において、省力化と品質改善を進めるための機械と加工技術の導入に取り組んでいます。零細農家に対して、最も妥当な費用で持続的に、適切な農業機械を供給するための戦略を策定することは、テーマ2プログラムの主要目標の一つです。テーマ2では、テーマ1の農作物生産性向上プログラムで扱う作物に関係する農業機器を特定し、検証する事業を行っており、国別プログラムに対して、そのような技術の調達方法(輸入または現地製造)を助言しています。

SAAは、機械製造業者と協力して、新たな機器の開発・実証を行うとともに、サービス事業者その他のエンドユーザーを対象に研修を実施しています。また、地元製造業者が持続的かつ費用効果の高い方法で、高品質のポストハーベスト機器や農産物加工機器を製造できるよう、研修を行うとともに、適切なメンテナンスシステムの整備にも努めています。さらに、テーマ3との連携により、作物バリューチェーンに沿った市場との結び付きを見極め、付加価値を生む技術の利用を促進できるよう、各国別プログラムに対して技術支援を行っています。

テーマ・ディレクター(代理):Antoine Aoga

SAA 出版物のご紹介

SAA 30年史

"Take it to the farmer" のダウンロードはこちらから

SAA サクセス・ストーリー

"SAA Success Stories"のダウンロードはこちらから

Feeding the Fufure

英語版ニュースレターのダウンロードはこちらから

アップデート情報やメール配信、出版物購読はお問い合せフォームよりご連絡ください。

SAA メールニュース

SAAの活動動向などをレポートしたメールニュース(英語版)を不定期発行しています。
ご興味がありましたら、是非メンバーにご登録ください。

メインパートナー

Nippon Foundation