SHEP研修をソコイネ大学(タンザニア)にて実施

ニュース
2021年6月11日
参加した大学講師、卒業生、TANSHEP チーム、SAAスタッフ、農業単科大学学長
参加した大学講師、卒業生、TANSHEP チーム、SAAスタッフ、農業単科大学学長

5月11-12日、SAAはタンザニアのモロゴロにてSHEP研修を開催しました。共催は、ソコイネ農業大学の農業普及コミュニティ開発学部(DAECD)及び農業コンサルティング&アドバイザリーサービス局(BACAS)、JICAプロジェクト「SHEPアプローチを活用した県農業開発計画実施能力強化プロジェクト(TANSHEP)」チームです。研修の目的は、DAECDの インストラクターと普及員であるソコイネ大学の卒業生が SHEP (市場志向型農業振興)アプローチとSAAが草の根で展開する モデルに対する理解を深めることでした。

研修には、計 17 名が参加し、SHEP およびSAAの現場の活動モデルに関する研修を受け、今後1,567 人の学生及び卒業生、そして大学周辺の 600 の農家に対しカスケードすることが期待されています。

これに関連し、DAECDはタンザニア農民グループネットワーク (MVIWATA) との覚書 (MOU) に署名をし、SHEP 研修が成果物の 1 つとして予定されることになりました。


トレーニングでは SHEP アプローチに焦点を当てたプレゼンテーションが行われ、「生産してから販売することを考える」農業から「販売するために生産する」農業へと変革することをテーマに、更にTANSHEP の経験を積んだ主要なステークホルダーの連携をいかに構築するかについて議論がされました。また、自律性 (コントロールの感覚)、能力 (環境の習得) および関連性 (所属)、市場調査、フィードバック、およびディスカッションを含む (ただしこれらに限定されない) アプローチのコアバリューは、トレーニングの一部でした。

トレーニングでは SHEP アプローチに焦点を当てたプレゼンテーションが行われ、その後、TANSHEP の経験を持つ主要な SHEP の利害関係者間の商業的つながりを構築するとともに、農業を「成長と販売」から「成長から販売」へと変革することに関連する議論が行われました。


市場調査に参加する研修参加者たち

 

SAAとソコイネ農業大学は 1998 年以来、タンザニアの官民の農業普及員を訓練することを目的に、現場のニーズに基づくバリュー チェーン指向型農業普及カリキュラムを開発・実施するためのパートナーシップを結んでいます。現役の普及員を対象とした、カリキュラムのユニークな特色の一つに挙げられるのは、農家がバリュー チェーンの様々なフェーズで直面する課題を学生が共に解決するために実施する、実践的な課題解決型プロジェクト(SEP: Supervised Enterprise Project)です。このプロジェクトをベースに、農家が収入を創出・改善し、生活改善につなげる事例が多数生まれています。

SHEPの目標は、市場志向型農業の導入を通じ、小規模な園芸作物農家の生活を改善することです。このアプローチは TANSHEP の下で普及され、トレーニング資料のスワヒリ語への翻訳も進んでいます。

SAA は、アフリカ 11 か国にある 29 の提携する農業大学とともに、中堅普及員の能力強化に取り組むことで、農業普及システムを強化し、バリュー チェーンに沿って小規模農家を支援しています。

 

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