ササカワ・アフリカ財団（SAA）は、気候変動等の影響により変要(トランスフォーメーション)が求められるアフリカの農業において、今後5年間を見据えた新たな戦略を策定しました。

SAAは、1980年代半ば、アフリカの小規模農家による主要作物の生産量を増やすべく、研修を受けた農業普及員を通じて改良技術を移転することを目的として設立されました。以来、アフリカの急増する人口を満たす食糧需要に応えるため、特に重点国エチオピア、マリ、ナイジェリア、ウガンダにおいて、栄養価の高い作物生産を増やし、貧困の削減に貢献してきました。


今日、異常気象やCOVID-19パンデミックの影響は非常に深刻であり、サハラ以南のアフリカ農家にとって避けられない障壁です。今回のSAA新戦略の策定は、2020年6月中旬、パンデミック中の3回のオンライン・ワークショップから始まり、35年間の歴史で初めて、農業バリューチェンのステークホルダーを巻き込み、農村コミュニティのための一貫した最新の戦略（2021-2025）を設計しました。結果、現場に根差した経験を十分に反映したものになりました。


気候変動やパンデミック等の課題を乗り越えるため、新戦略の重点分野は、３つの柱で構成されています。１，土壌劣化を改善し、生産性を向上するための「強靭かつ持続的な環境再生型農業」２，農村コミュニティにおける健康状態を改善するため、生物学的栄養強化作物や栄養価の高い土着野菜の普及を担う「栄養配慮型農業」３，食糧安全保障と生活向上のため、ビジネスとしての農業を可能にする「市場志向型農業」です。これらは、SAA発足当初の目的を変わらず体現すると同時に、市場へのアクセスを改善し、農家が余剰を販売できる仕組みを確保することで、貧困を削減する新たな方法を模索するものです。

戦略のダウンロードは下記リンクより可能です。
（現在、日本語訳制作中）

新五カ年戦略2021-2025 (英文）