この度、1986年に始まるササカワ・アフリカ財団（SAA）のアフリカにおける農業開発の軌跡を1冊に取りまとめました。執筆は米国のサイエンス・ライターのThomas Hager氏に依頼しました。執筆にあたってはササカワ・アフリカ財団（SAA）の歩んできた道を忠実にフォローするが、その歩みはSAAという一組織の取組みを超えて、アフリカの農業開発に関心があるすべての関係者が直面する問題も多く含んでいるため、うまくいった部分だけでなく、うまくいかなった部分も記載し、社史という位置づけを超えた、現場からのアフリカ農業開発の報告とすべきだとの提案がありました。

昨今話題になっている気候変動、土壌の健全性、栄養、バリューチェーン、農業金融等の課題にも果敢に取り組んできました。関連組織との調整にも大きなエネルギーを費やしました。また、現地の治安状況による事業活動の停止や活動国からの撤退も経験しました。

Hager氏の提案を受け入れ、完成した本書が、アフリカの農業開発にかかわる皆様の一助になればと願っています。SAAはこれまでの35年の経験を踏まえ、新たな時代に向かおうとしています。新たな時代は本書にありますように連携がキーワードとなります。Walking with the Farmerを胸に皆様と一緒に、引き続き現場で汗をかいていきたく思います。

本書（英語版）は現在一部改訂作業中です。