ボーローグ博士生誕100周年記念式典をウガンダにて開催

2014年7月30日

2014年7月7-10日、ノーベル平和賞受賞者であり笹川アフリカ協会(SAA)の創設者の一人であるノーマン・ボーローグ博士の生誕100周年記念式典がウガンダにて開催されました。そして、農業が経済発展にいかに重要な役割を果たしているか、また、若者に対する雇用創出やスキル、ビジネスマインドの獲得にどれだけ大きな可能性を持っているかについての意見交換が様々な場で行われました。この式典は、ジンジャで例年開催されるウガンダ農業トレードショーと期を同じくして開催されました。

式典のテーマは、2009年にボーローグ博士が亡くなった際に残した、「その技術を農民の手に」という最期の言葉でした。そしてそのテーマの下、サイドイベントとして、ジンジャ地区内の学生らによるディベート大会、音楽・ドラマ・ダンスコンテスト、そして16県60校の学校が参加したエッセイコンテストが開催されたました。また、改良技術を最も適切かつ効果的に導入した農家を選出する最優秀農家賞の発表も行われました。

「ボーローグ博士は、未来の農家を担う存在として、そして飢饉に対して声をあげる存在として、若者の可能性を信じていました。」と、SAA会長のルース・オニヤンゴ名誉教授はコメントしています。

第1部は、7月8日マケレレ大学で開催された「農業のトランスフォーメーションにおける大学の役割」と題されたシンポジウムの開催によって幕開けしました。開会はジョージ・モンド・カゴネイェラ学長により宣言され、他、ウィンロック・インターナショナルの副代表デイビッド・ノーマン博士と英国グリーンウィッチ大学の自然資源機構 能力強化学習局長ティム・チャンセラー博士にスピーチいただきました。

第2部では、「ボーローグ博士がウガンダに残した遺産」と題したシンポジウムが、7月10-11日、ジンジャのナイル・リゾートにて開催されました。同シンポジウムは、ウガンダ副大統領エドワード・セカンディ氏のスピーチより開会の辞が述べられました。主賓には、アフリカ連合農村開発局局長ローダ・ピース女史、前ベナン大統領でSAA理事のニセファー・ソグロ氏、日本財団会長笹川陽平氏、カーターセンター代表ジョン・ハードマン氏、ワールド・フード・プライズ財団代表ケネス・クイン氏、SAA会長ルース・オニヤンゴ教授、ボーローグ博士の娘であるジニー・ボーローグ・ローブ女史、孫であるジュリー・ボーローグ女史が列席された他、SAAの創設者の一人であるジミー・カーター元アメリカ大統領の祝辞が上映されました。そして、SAAの創設者の一人である故笹川良一氏の息子、笹川陽平氏は、アフリカの農家が生活を豊かにし、また、子どもたちがお腹を空かせたまま眠りにつくことがないようにするために、引き続き寄り添った支援を続けることを改めて誓いました。

イベント準備には、現地の組織委員会が一連の調整を行いました。元農業畜産水産大臣ヴィクトリア・セキトレコ女史を筆頭とし、その他、国家農業アドバイザリーサービス(NAADs)、ウガンダ全国農家連盟(UNFFE)、 マケレレ大学、全国ディベートカウンシル、SAAが構成しました。

SAAは、1996年からウガンダで活動を始め、国の農業普及システムと協力しながら、零細農家の生産する農作物の収量の増加と生計の向上を目指してきました。SAAの戦略的計画(Strategic Plan)では、2012年から2016年までの5年間で、20県10万人の農家にリーチする目標です。姉妹団体であるSAFEは、マケレレ大学とパートナーシップ提携を結んでおり、経験豊富な農業普及員の育成に尽力しています。(なお、ルース・オニヤンゴ教授はSAFEの会長でもあります。)

イベントの写真は、以下のFacebook頁にてご覧いただくことができます。

https://www.facebook.com/pages/Sasakawa-Africa-Association/352578084771870?ref=br_rs

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