【開催報告・動画公開】TICAD9公式サイドイベント②:アフリカの食料システム変革に向けたハイレベル会合、横浜にて開催
2025年8月20日(金)10:00–11:30、パシフィコ横浜にて、笹川平和財団(SPF)主催、ササカワ・アフリカ財団(SAA)協力によるTICAD9公式サイドイベント「アフリカにおける持続可能・包摂的・対応力ある 食料システムと地域経済の未来— ブルーエコノミーと農業の視点から —」が開催されました。アフリカの農業を牽引する機関の代表が一堂に会し、アフリカの食料システム変革について議論を交わしました。この会合では、若者と女性の役割、ブルーエコノミーと農業の統合、そして具体的な成果をもたらすパートナーシップが不可欠であるという共通認識のもと、1時間半にわたる活発な議論が行われました。
イベントは、笹川平和財団の角南篤理事長による開会挨拶で始まり、日本財団およびSAAの笹川陽平名誉会長が来賓として挨拶されました。続いて、石破茂内閣総理大臣が特別挨拶を行い、日本とアフリカのパートナーシップの重要性について述べました。その後、「アフリカにおける持続可能なブルーエコノミーと農業の推進に向けて:能力構築と国際連携の可能性」をテーマに、ハイレベル・パネル・ディスカッションが開催され、ケニア共和国のウィリアム・ルト大統領、カーボベルデ共和国のウリセス・コレイア・エ・シルバ首相、ナミビア共和国のエライジャ・ングラレ首相、ギニアビサウ共和国のソアレス・サンブ経済・計画・地域統合大臣、そして日本の松本尚外務大臣政務官が議論しました。
ハイレベル・パネル・ディスカッションの様子
SAAが招聘したアフリカ連合委員会のモーゼス・ヴィラカティ農業・農村開発・ブルーエコノミー・持続可能な環境担当コミッショナーは、「TICAD9は、アフリカの食料安全保障と若者のエンパワーメントを向上させるため、アフリカと日本の協力関係を強化する重要な機会である」と述べ、農業分野の若者中心のセクターへの変革、ブルーエコノミーの活用、そして官民パートナーシップの促進が不可欠だと強調しました。
アフリカ連合委員会(AUC) モーゼス・ヴィラカティ農業・農村開発・ブルーエコノミー・持続可能な環境担当コミッショナー
また、アフリカ開発銀行のマーティン・フレゲネ農産業部門局長は、アキンウミ・アデシナ総裁のスピーチを代読し、同行の「Feed Africa」戦略を紹介しました。過去10年間にわたり、特に若者や女性のエンパワーメントを重視し、TAAT (農業技術)、SAPZ(農産加工特区)、Enable Youth(若者の起業支援)といった主要プログラムを通じて、食料生産性の向上と雇用創出に大きな成果を上げていると報告。今後の戦略においても、パートナーシップを強化し、若者中心の農業とブルーエコノミーの成長に継続して投資していく意向を示しました。
アフリカ開発銀行 マーティン・フレゲネ農産業部門局長
閉会にあたり、ササカワ・アフリカ財団(SAA)のアミット・ロイ会長は、イベントの成果と今後の方向性を次の三点にまとめました。第一に、食料システム変革の中心に若者と女性を据えること。第二に、ブルーエコノミーと農業の統合が雇用創出・栄養改善・持続可能性の推進に資すること。第三に、実効性のあるパートナーシップこそが前進の唯一の道であることです。さらに、翌年に40周年を迎えるSAAとして、これまで支えてきた日本財団をはじめとするパートナーへの謝意を表し、アフリカと日本が共に、知識共有とイノベーションを通じて協力を一層深化させていく決意を述べました。
今後に向けた閉会の挨拶を行うササカワ・アフリカ財団(SAA)アミット・ロイ会長
本イベントは、アフリカの持続可能な未来に向けた、日本とアフリカ間の協力関係を一層強固なものにする重要な一歩となりました。ご参加いただきました皆様ありがとうございました。
■外部メディア掲載
本イベントに関連し、鈴木周一理事長のインタビュー記事が以下のオンラインメディアに掲載されました。
・Pan African Visions:「Empowering Africa’s Farmers: Innovation, Partnerships, and Sustainable Growth」
・AGRITECH Middle East & Africa:「Empowering Africa’s Smallholder Farmers through Innovation and Inclusive Partnerships」
アフリカにおける持続可能・包摂的・対応力ある食料システムと地域経済の未来における石破内閣総理大臣挨拶
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