農業機械化の新モデル「トラクター・サービス化」の展開―カラモジャでの取り組み
ササカワ・アフリカ財団(SAA)ウガンダ事務所は、農業市場支援プロジェクトの一環として、国連世界食糧計画(WFP)と連携し、カラモジャ地域における農業拡大の長年の課題を克服するため、「デジタル技術を活用した農業機械化モデル」を導入しました。
作物生産の需要が高まる一方、カラモジャでは広大な耕作可能地が十分に活用されていません。その一因として、農業機械へのアクセス制約が挙げられます。トラクターなどの農業機械にアクセスできる場合でも、管理体制の不備や不十分な維持管理、さらに資金の流れの不透明さなどにより、故障や資産の早期劣化が頻発してきました。こうした課題に対応するため、SAAウガンダは単なるトラクターの「所有」から、持続可能な「トラクター・サービス化」モデルへの転換を進めています。
同モデルの核となるのが、2つのデジタルプラットフォームです。運用面では、「Hello Tractor」アプリを活用することで、稼働時間、耕作面積、位置情報などのデータをリアルタイムで追跡できるようになりました。こうしたデータに基づく管理により、機械の不適切な使用を防ぐとともに、計画的な保守管理が可能となり、トラクターの寿命を大幅に延ばしています。
一方、財務面では、「MobiPay」アプリを活用し、貸し出しサービスによる収益を一元的に管理することで、資金の流出を防ぎつつ、透明性を確保しています。農家からはアプリを介して支払いを受け取り、ローン返済、燃料費、オペレーターへの支払い、メンテナンス費などの必要経費に振り分けられる仕組みです。
このように透明性の高い資金管理を徹底することで、農業機械の維持・整備に必要な資金が安定的に確保され、サービス全体の持続性が高まっています。
運用状況のモニタリングと透明性の高い財務管理を組み合わせることで、このデジタル技術を活用した農業機械化モデルは、農業機械の適切な維持と稼働率の向上を実現しています。その結果、単に故障を防ぐだけでなく、必要なタイミングで土地を耕起できる環境が広がっています。
本取り組みは、カラモジャにおける生産性の向上と気候変動への対応力強化、さらには市場志向型農業への移行を後押しするものです。トラクターを適切に管理された資産として活用することで、地域の農業の潜在力を引き出すことが期待されています。

トラクターの圃場設定および運転技術に関する、訓練を受けたオペレーター。
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