第7回アフリカ開発会議 の公式サイドイベントとして「アフリカの農業と未来― 若者の力と農業ビジネス ―」開催

2019年9月11日

2019年8月28日、TICAD7公式サイドイベントして開催されたササカワ・アフリカ財団(SAA)主催のシンポジウム(於パシフィコ横浜)で、日本とアフリカの農業における“機会”と“協力”について、新たな時代の幕開けが宣言されました。

同シンポジウムでは、日本とアフリカの政府関係者、農業分野の専門家や実業家、若い農家が中心に、農業セクターにおける若者の雇用問題、および農業ビジネスの持つ可能性に焦点を当てた議論が行われました。そして、アフリカと日本のパートナーシップを通じ、いかに若者に、持続可能で収益性の高い農業ビジネスの機会を提供できるか、意見が交わされました。

新たな可能性の時代へ

シンポジウムは、まず、日本財団笹川陽平会長により開会が宣言されました。笹川会長は、アフリカの若者こそが、農業を、ビジネスチャンスに満ちた「新しい時代」に導くのであるという希望に満ちた確信を述べられました。そして、オニアンゴSAA会長は、1986年以来続く、日本財団の持続的な支援に改めて感謝の意を表しました。

アフリカ開発銀行のアデシナ総裁は、アフリカが「世界の食料と農業を牽引する原動力」になるポテンシャルを秘めていることを指摘し、特にアフリカの若者のために、気候変動に対処するための投資とイノベーションについて、あらゆるアクターが責任を共有しなければいけないと強調されました。

ゲストスピーカーの石井直子地球環境ファシリティ(GEF)CEO兼議長は、食料安全保障を達成する上で気候変動がもたらす影響について指摘し、農業バリューチェーンと気候変動対応型スマート・テクノロジーの分野において、SAAとGEFが協働できる分野があると述べられました。

シンポジウム終盤に登壇された安倍晋三総理大臣は、アフリカにおけるSAAの“30年にわたる継続的な献身”に特別な敬意を表し、また、日本の技術が、“農業の鍵であるイノベーションを起こすのに、重要な役割を果たすことができる”ことを指摘されました。また、日本政府がアフリカとの協力関係を強化することを宣言されました。

なお、開催に先立ち、SAAは国際協力機構(JICA)と、今後のパートナーシップに向けた協力覚書を交わしました。

アフリカ6ヶ国首脳への表敬訪問

シンポジウム後、笹川日本財団会長とSAAオニアンゴ会長は、SAAが事業を展開するアフリカ6ヶ国(ウガンダ、エチオピア、マリ、ガーナ、シエラレオネ、ブルキナファソ)の首脳と会談を行い、事業の現状や今後の方向性について、意見を交わしました。

各国代表団は、SAAがアフリカ各地で農業開発分野に30年以上貢献してきたことに謝意を表明され、また一部の国では、「ササカワ」という名前が、特定の改良農業技術を利用する農家の名称になったことが紹介されました。またいずれの国においても、SAAが展開する、アフリカの農業大学を通じた人材育成事業(SAFE)が、人材育成と能力開発のための持続可能な開発モデルとして、現地の農業普及教育のカリキュラム改善に貢献していることが評価されました。

SAFE事業(人材育成)について
国際協力機構(JICA)との協力覚書の締結

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