栄養に配慮した農業の推進に向け、HarvestPlusとパートナーシップ協定を締結

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2021年8月17日
ビタミンAが強化されたサツマイモを食べるウガンダの女性
ビタミンAが強化されたサツマイモを食べるウガンダの女性

SAAは、生物学的栄養強化作物(biofortification)の育種・開発を国際的に牽引してきた国際食糧政策研究所  (IFPRI)のプログラムである、HarvestPlusとパートナーシップを締結しました。

今回の締結は、栄養に配慮した農業を更にアフリカに展開していくことを目的としており、SAAが活動国(エチオピア・マリ・ナイジェリア・ウガンダ)で、実践的かつ革新的な農業普及アドバイザリーサービスを推進することで、生物学的栄養強化作物を普及します。それにより、これまで「保健」領域として捉えられ、見落とされてきた「栄養」という観点を、農業にもたらします。

物学的栄養強化作物とは、作物の微量栄養素含有量(主に、鉄分・ビタミンA・亜鉛)を高める育種によってうまれた農作物です。

ビタミンAが強化されたサツマイモを食べる子ども(ウガンダ)

この連携により、ビタミンAを強化したトウモロコシやキャッサバ、鉄分を強化した豆類、亜鉛を強化したコメなどを普及拡大し、小規模農家の収入増加や、食と栄養の安全保障向上を支援します。また、農業普及員や農家の能力を高め、市場志向型でサステナブル、栄養に配慮した農業を目指します。

さらに、生物学的栄養強化作物を、より利用・消費しやすいものにするため、持続可能なバリューチェーンを構築していきます。また、栄養における様々な課題の分析や、実現可能な対応の共同設計、栄養や気候変動に配慮した改良技術を普及するための政策にも積極的に関与します。

SAAの最終目標は、対象4か国の農業バリューチェーンにおいて、食と栄養の安全保障、ジェンダー平等、雇用創出、所得増加、貧困削減などを実現するため、農業の生産性と競争力を高めることです。

HarvestPlusとの協働により、栄養に配慮した、サステナブルで市場志向型の農業を実現し、資源の乏しい農村コミュニティーにおいても、アフリカの農業変革という戦略を形にしていくことができるでしょう。

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