2023年1月24日、SAAウガンダ事務所は、カンパラのフェアウェイホテルにて、「農業の集約化、栄養、所得向上の促進（Catalyzing Agricultural Intensification Nutrition and Income）」と題した2023年度年次ステークホルダー会合を開催しました。同会合には、ウガンダ農業畜産水産省、教育機関（マケレレ大学、ブシテマ大学、グル大学、ウガンダ・クリスチャン大学）、農業協同組合（キエンダンガラ地区協同組合企業、ワンストップセンター（BAIDA、ZAABTA））、農業資材販売業者（Bukoola Chemicals agro-input dealer、Vermipro Limited、GrainPulse Limited）、地方自治体、民間のe-エクステンション・プロバイダー（MobiPay AgroSys Limited、Ezy Agric）、金融機関（Happy Loans）、NGO、研究機関、SAFEプログラムの卒業生などが参加しました。同会合の目的は、SAAの5か年戦略（2021-25）の周知と2023年活動計画の共有、また、小規模農家支援に関わる連携についてさまざまな関係者と議論することです。

ウガンダ事務所長のDavid Wozemba Wetakaは冒頭の挨拶で、同国の小規模農家の生活向上を目指し、SAAとともに活動するパートナーの貢献に謝意を表しました。また、環境再生型農業、栄養に配慮した農業、市場志向型農業を3本柱とするSAAの戦略（2021-25）に触れ、食料・所得の確保と高栄養食品の摂取を促進するとともに、生態系と土壌の健全性を改善する持続可能な農業への取り組みについて紹介しました。

北中理事長は、新型コロナウイルスやエボラ出血熱などの感染症の影響下においても、SAAが小規模農家にイノベーションと知識を提供し続けてきたことを強調し、2023年が、5か年戦略の中間地点である3年目にあたることから、パートナーシップを一層強化し、より大きなインパクトを小規模農家にもたらせるよう努力したいと述べました。

ウガンダ農業畜産水産省の作物資源部長代理は、SAAが長年にわたり同省と協力し、小規模農家を支援してきたことを評価した上で、SAAの戦略は、入手可能な資源を用いて最大限の収量獲得を目指す政府の小規模農家支援プログラム「パリッシュ・デベロップメント・モデル（PDM）」に合致していると述べ、PDMを効果的に実施するため、より広範な省庁と協力するようSAAに呼びかけました。協力可能な省庁として、農業灌漑については水環境省、市場アクセスは貿易産業・協同組合省、地方自治体、加工品の品質管理はウガンダ国家標準局（UNBS）を挙げました。

また、農家の生産性／生計向上のカギとなるパートナーシップ分野として、種子増産の支援、ビジネス開発や高品質種子特定にかかる能力開発を挙げるとともに、病害虫管理の情報／知識を特定・普及すること、安全で高品質な穀物を出荷するためポストハーベスト技術の習得も重要であると述べ、農業関係者の協力を呼びかけました。

本会合で、SAAは、昨年度の活動実績と2023年の計画について発表し、連携可能な分野（パートナーシップの可能性）について議論を深めました。ディスカッションでは、SAA主導による農家グループの組織化や正式な協同組合への登録支援などが要望されました。

教育関係者（大学）とは、若者のスキリング・プログラムについて話し合い、覚書を締結することが確認されました。また、SAAの介入インパクトを高めるため、エビデンスに基づいた実績／情報を発信する重要性が認識され、具体的には、JABBA土壌検査研究所が提供した土壌分析結果に基づき、SAAが必要な肥料を判断することが確認されました。

閉会の挨拶で、SAAウガンダ事務所長は、参加者の積極的な関与に感謝の意を表すとともに、今後もパートナーと協力分野における連携を継続し、必要に応じて覚書などを締結し、SAAのインパクトをさらに拡大していきたいと述べました。