気候変動緩和に向けた種子技術とマーケティングをテーマに開催されたAFSTA会合2023に参加しました

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2023年3月23日
SAAのブースをご訪問されたミシガン州立大学農業・天然資源学部のカリム・マレディア教授。
SAAのブースをご訪問されたミシガン州立大学農業・天然資源学部のカリム・マレディア教授。

品質の良い種子へのアクセスは、アフリカ小規模農家の食料確保、所得・生活向上を実現する上で、非常に重要です。アフリカ種子協会 (African Seed Trade Association : AFSTA)は、2000年に設立された非営利組織で、アフリカにおける種子取引の促進や農業関連の起業家育成に取り組んでいます。2023年度のAFSTA年次会合は、2023年3月06日~08日にセネガルの首都ダカールのキング ファド パレス ホテルで開催され、アフリカ国内外から約280名が参加しました。

ササカワ・アフリカ財団(SAA)は本会合において、AFSTAの211番目のメンバーとして正式に承認されました。

本会合には、SAAからアンデ・オキロ(市場志向型農業コーディネーター)、ビニヤム・テスフェイ(エチオピア事務所 広報担当)、ドゥア・デンバ・ディアロ(マリ事務所ISSDサヘル・プロジェクト担当)が出席し、展示ブースでSAAの戦略、成功事例、支援モデルなどアフリカ農業にインパクトを与えた長年の活動を紹介しました。同ブースを訪れたアフリカ内外の多くの関係者がSAAとの連携に関心を示しました。

また、オランダ王国大使館からの資金提供を受けてSAAマリ事務所がコンソーシアムを通じて実施している「サヘル地域における総合的種子セクター開発プロジェクト(ISSD-Sahelプロジェクト) 」の取り組みが本会合で共有され、他国(特にセネガルとコートジボワール)で同様のプロジェクトを設計・実施することに関心を示すパートナーもありました。

SAA展示ブースの様子。左から、ドゥア・デンバ・ディアロ(マリ事務所ISSDサヘル・プロジェクト担当)、アンデ・オキロ(市場志向型農業コーディネーター)、ビニヤム・テスフェイ(エチオピア事務所 広報担当)

本会合では、種子関連の多岐にわたる議論が展開され、一例として、地域経済共同体における種子プロトコル/政策の制定、気候変動を念頭にした優良種子へのアクセス改善、民間セクターによる種子バリューチェーンへの投資を促す方法、種子関連の資機材のリサイクルにかかる実践モデル構築などが議論されました。また、アフリカ連合(AU)の役割として、在来品種の使用促進、域内の種子システムの開発促進、種子の保存・取引にかかる農家の権利保護など、小規模農家の種子へのアクセスを支援する政策を提唱することが求められました。

SAAのブースを訪問されたミシガン州立大学 農業・天然資源学部 国際プログラムディレクターのカリム・マレディア教授は、生命の始まりである種子を繊細に取り扱うことの大切さに触れ、SAA創設者の一人であり緑の革命の父であるノーマン・ボーローグ博士と親しく仕事をしたことを光栄に思うと述べられました。 

2024年度のAFSTA会合は、2024年3月6日~8日、ケニアの首都ナイロビで開催予定です。 

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