在エチオピア日本大使を迎え日本NGO無償資金協力で支援する農家研修センターの竣工式が行われました (オロミア州)

ニュース
2023年7月11日
スピーチを行う伊藤恭子在エチオピア日本国特命全権大使
スピーチを行う伊藤恭子在エチオピア日本国特命全権大使

2023年5月29日、オロミア州ネゲレ・アルシ地区のトゥルゲ・ガロ農家研修センター(Farmer Training Center: FTC)にて、竣工式が行われました。今回完成した一連の設備は、日本政府の資金提供による「環境に配慮した市場志向型農業推進プロジェクト(PREMAP-I)」の一環として提供され、研修室や展示室、温室の他、AI搭載のIoTソリューション、ソーラーポンプ、点滴灌漑等を整備した集水池があります。今後、新品種や適正農業規範(GAP)の学習の場として、コミュニティ・バラエティ・プロット(地域の農家による新規作物・品種の選定をサポートするための展示圃場)を整備し、雨水利用や野菜の通年栽培を推進していきます。

ソーラーポンプを備えた集水池

本式典には、伊藤恭子在エチオピア日本国特命全権大使、連邦農業省のイェネシュ・エグ農業普及局長、オロミア州農業局のアミナ・アブドゥルハマン副局長をはじめ、コミュニティ・リーダーや地元農家などが列席しました。

伊藤大使は、スピーチの中で、G7広島サミットでの岸田首相の発言を引用し、世界の食料安全保障の重要性を強調し、本プロジェクトがオロミア/アムハラ州の農業生産性と地元農家の健康と福祉の向上に寄与し、食料安全保障に向けた日本の開発政策の礎石となることに期待を示しました。また、エチオピアと日本の長年の外交関係に触れ、日本政府がエチオピアの開発プロジェクトに貢献してきたことを述べられました。

連邦農業省のイェネシュ・エグ農業普及局長

イェネシュ・エグ農業普及局長は、プロジェクトの持続可能性に触れ、活動が継続し、農村コミュニティに対し継続的に普及サービスを提供することの重要性を話しました。アミナ・アブドゥルハマン氏は、特にジャガイモの生産において本事業がもたらす学びを今後の農業の活動に生かしていくよう地元農家にアドバイスしました。

オロミア州農業局のアミナ・アブドゥルハマン副局長

SAAエチオピア事務所のフェンタフン所長はスピーチの中で、日本政府に対する感謝を述べ、また、プロジェクトの最終目標を達成するには、普及員が協力して活動を注意深くモニタリングし、適切な農業普及サービスをタイムリーかつ協調的に地域社会に提供すること、また、FTCを自分たちの財産とし、責任をもって監督することが重要であるとしました。

SAAエチオピア事務所のフェンタフン所長

本施設における様々な農業活動を通じて、トゥルゲ・ガロ村の6,174人のコミュニティに寄与することが期待されます。式典は、SAAから自治体への引き渡し式で締めくくられました。

農家の支援とFTCの能力向上を目的とした外務省の資金提供によるプロジェクトは、同村に加えて、アムハラ州ベラカット村、オロミア州ラヤボダ村、シダマ州ブレッサ村の3か所においても、現在進行しています。

SAAから自治体への引き渡し式

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