ナマズの養殖ビジネスで地域に貢献~マリの農家、バンバ・ケイタさんのストーリー~
バンバ・ケイタさん(38歳)は、マリの首都バマコから45km程離れたナファジ村で野菜を育てる農家です。奥さんと二人の子供と暮らしています。農業を事業として発展させることに困難を感じていたある日、地域の農業アドバイザー(CAT)の紹介でSAA若手起業家育成プロジェクトに参加することが決まりました。
そして、魚の養殖、財務、ビジネスマネジメントに資する理論/実践まで、多岐にわたる研修を受講しました。ケイタさんは、研修について次のように評価します。「SAAの研修は、私の目を開かせ、チャンスを与えてくれました。研修で得た経験と知識があれば、自分のビジネスを発展させることができると気づいたのです。」「SAAの研修に参加する前は、自分が毎月いくら稼いでいるのか、考えることもしませんでした。しかし、今は違います。起業家として明確なビジョンを持ち、ビジネスを展開しています。私は研修で得た学びに非常に満足していますし、同じように夢を持つ若者にこの知識を伝えることもできるのです。」
その後、受講者の参加するビジネスコンペでケイタさんが発表した養殖のビジネスプランは、審査員に高く評価され、優勝しました。そして、実現のための資金を獲得することができたのです。
ケイタさんは、9 m3の養殖用の水槽と稚魚用ケース、1,000匹以上の稚魚を獲得し、さっそくビジネスを開始しました。事業開始から4カ月間が経過した時点の稚魚の死亡率はわずか1.65%で、非常に順調に育っています。餌は1日3回与え、魚の平均体重は約300グラムです。週に2回、水槽の掃除と水換えを行い、排水は家庭菜園の灌漑用水として利用しているそうです。
「今では自分の家族だけでなく、父、母、兄弟を含む親族の生活費も賄うことができるようになりました。また、生まれ育った村で雇用を創出することができ、誇りに思っています。私はまだ若いですが、地域で尊敬される立場になりました」とケイタさんは話します。
最後に、魚の養殖を始めようとする人に、ケイタさんからアドバイスを伺いました。
- 心身ともに準備をすること。
- 養殖に使用する水の品質に注意すること。
- 静かで快適な場所を見つけること。
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"Walking with the Farmer"
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Voices from the Field Special Edition 2022
「現地からの声」の記事を特別編集版としてまとめました。