SAAウガンダ事務所の重要な役割の一つは、公的な農業普及制度を補完し、普及サービスの円滑な運営を支援することです。「m-Omulimisa」や「Ezy-Agric」 などのスマホアプリをはじめとするデジタル技術を活用し、農家に必要な情報を届ける取り組みを推進しています。

例えば「m-Omulimisa」では、農家は作物の写真を撮影して普及員に送付し、リアルタイムでアドバイスを受けることができます。また、病害虫の発生を報告やアラートの受信、農業資材（種子、肥料/農薬等）業者にアクセスしたり、農家仲間とコミュニケーションをとることもできます。「Ezy-Agric」には、農地の地図を作成する機能があり、作付けに関する判断などを行いやすくする他、農産物の売買、取引の記録、普及員とのやりとり、気象情報の入手、また、農業のヒントとなる情報を得たりすることができ ます。

イシンギロ県ムバレ地区の農村リーダー（Community-based Facilitator）、ベトソン・ ムジュニさん（38 歳）は、SAA の e-エクステンション・プラットフォームについて、次のように述べています。「私は、SAA からプラットフォームの使い方を教わり、それを村の農家に伝えています。 4 グループ、60 人（女性 38 人）の農家を対象に、モバイルアプリの使用方法を指導し、農業投入財やマーケット情報にアクセスできるようトレーニングしています。」ムジュニさんは、e-エクステンションの技術研修を受け、2020 年、2021 年のコロナ禍においても、多くの農家の課題克服を支援しました。その成果が認められ、彼は地域のリーダーに任命されました。現在、ウガンダでは、農家に対する農業普及員の比率は 1:1,800 であり、推奨比率 1:500 より普及員の数が大幅に少ない状況ですが、SAAのe-エクステンション・サービス は、これを補完する働きを担っています。

SAA E-Newsletter 2022年9月 発行農業普及サービスを支えるデジタルテクノロジー号より転載