市場志向型農業により若者の雇用を創出~ウガンダの農家ピーターさんのストーリー~

ウガンダ
2023年1月30日

ウガンダ ・アジュマニ地区在住のピーター・ヴンドゥルさん(23歳)は、学費を払うことができず、学校を退学せざるを得ませんでした。しかし、自宅で野菜を育てていた両親を習い、トマト、キャベツ、オクラの栽培を始めた彼は、才覚を発揮し、地域のモデル農家になるまで成長しました。

2021年9月、ピーターさんが所属するアマ・エベク農家グループ(男性14人 女性6名)は、SHEP(市場志向型農業振興)プロジェクトの受益者に選定されました。同プロジェクトは、日本政府が資金を提供し、SAAウガンダ事務所と国際食糧政策研究所(IFPRI)が共同で実施するもので、小規模園芸農家支援を目的とし、難民を受け入れるアジュマニ地区のコミュニティーの農家が市場性ある農産物を栽培できるよう播種前に市場調査を行うとともに、営農スキルや栽培スキルを伝播しています。

「私は、農地や種子の選定、適時の整地と植え付け、適切な除草と病害虫管理、営農管理などの実践的な知識を学びました」とピーターさんは話します。「今年は研修で習得した技術を活かし、2022年1月に2エーカーの農地にトマト(アシラF1 40g・リオグランデ100g)を植えました。最初の収穫で18箱、720万UGX(1,868米ドル)、その後、さらに12箱、480万UGX(1,316米ドル)を売り上げました」と、彼は付け加えました。

トマトの販売利益で、彼はオートバイを購入し、翌シーズンに向けてより収量の多い品種を購入。以来、彼はコミュニティーや主要マーケットにトマトを供給する模範農家となりました。

ピーターさんは今後、乾季に使用する小型の太陽電池式灌漑システムと家畜よけの農場フェンスを設置する予定です。また、経済的な理由で学校を退学した若者を雇用し、地域に恩返しをしたいと話しています。

SAA E-Newsletter 2023年1月発行 市場志向型農業号より転載

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