SHEPアプローチで農業をビジネスに~市場調査で買い手と良好な関係を築いたトラオレさんのストーリ~

マリ
2023年7月30日

マリ西部のクリコロ地域に拠点を置くミンティギラ協同組合のメンバー、スンコウラ・トラオレさんは、SAAが実施した「SHEP(市場志向型農業振興)アプローチ」の研修を受講したことをきっかけに、農業をビジネスとして捉えることができるようになり、収入が向上したと言います。

SAAは、JICAのSHEPモデルをアプローチに取り入れ、作付の段階からマーケットの需要を想定した栽培計画を立てるよう農家にアドバイスをしています。クリコロ地域のゲセブグー協同組合とミンティギラ協同組合の野菜農家40人(うち女性20人)は、SAAが提供するSHEP研修を受講し、市場調査、作物の選択、栽培計画などのスキルを習得しました。

研修を受講したトラオレさんら農家仲間は、市場調査を通じてバイヤーの嗜好やニーズを把握するとともに、バイヤーと良好な関係を築き、作った作物を持続的に提供できる販路を確保することができました。

「私は20年以上農業に携わっていますが、買い手が何を求めているのか考えたことがありませんでした。しかし、SAAからSHEPアプローチについて学んだことで、まず買い手のニーズや市場を知り、その情報に基づき生産する必要があることを学びました」とトラオレさん話します。

SHEP研修では、農家は収益性の高い野菜(トマト、ピーマン、タマネギ)を自ら選択し、SAAは、それらの作物の改良種子5.8kg、肥料6トン、散水缶20個、フェンス6枚、適正農業規範とポストハーベストに関する技術支援を提供しました。その結果、農家は、トマト(1,631米 ドル)、ピーマン(108米ドル)を含む合計1,739米ドルの売上を上げ、売上金を元手に、ミンティギラ協同組合は、農業資材の購入を目的とした基金を設立することができました。

「市場調査は、買い手と良好な関係を築く上でとても重要です。農業で高い利益を得られるようになり、今では子供たちの学費を賄うのに十分な収入です。家族の生活も安定しました」とトラオレさんは話します。

SAA E-Newsletter 2023年7月発行 マリ特集号より転載

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