保蔵庫の通気性向上でタマネギの収穫後ロスを削減

ナイジェリア
2024年2月29日
カノ州バグワイ地区のタマネギ農家、サヒード・アッバさん
カノ州バグワイ地区のタマネギ農家、サヒード・アッバさん

ナイジェリア・カノ州におけるタマネギ農家/販売業者は、長期保蔵技術の不足により、収穫したタマネギのうち最大50%がカビや腐敗等で廃棄となっていました。

SAAは2022年、カノ州農牧畜開発プロジェクト(KSADP)のもと、タマネギの保蔵庫に送風機を導入し乾燥させることで、タマネギの傷みを大幅に削減することに成功しました。

直近の評価によると、送風機を導入する以前は、平均24%の収穫後ロスがありましたが、導入後は、11%まで減少したことが確認されています。送風機導入のパイロット運転では、栽培履歴など同じ条件のタマネギを準備し、送風機一台あたり、1.4トンのタマネギを4か月間保管しました。その結果、送風機の導入により、1トンのあたり190kgのタマネギを節約(腐敗することなく長期保存)できることが確認できました。

高温多湿に弱いタマネギの長期保蔵には、同技術の導入で腐敗を防ぐことが証明され、他地域にも展開することで、カノ州のタマネギの生産・販売に関わる農業関係者の収入の向上、安定化が期待されます。

SAA E-Newsletter 2024年2月号「ナイジェリアのフードシステム変革に向けて」より転載

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