【前編】途上国の農業にビジネスプランを提案!渋幕高校生チーム「そあにすと」×ササカワ・アフリカ財団

2022年11月9日

きっかけは一通のメール

2022年の年明け、SAAは高校生から1通のメールを受け取りました。そこには、アフリカの農業に関する率直で具体的な質問がずらりと連ねられていました。

メールを送ってくれたのは、渋谷教育学園幕張高等学校3年生の秋山 空南(そな)さん。秋山さんは、「マイナビキャリア甲子園」という高校生ビジネスコンテストの準決勝を控え、ビジネスプラン策定の真っ最中でした。「農業生産者の安定的な食糧生産」をビジネスプランのテーマに選んだ彼女たち(秋山さん含む計3名の高校生グループ)は、アフリカの農業に関する情報収集に苦労し、SAAに質問を投げかけてくれたのでした。

秋山さん他、伊藤 瑞希(みずき)さん、T.N.さんの3名は、『そあにすと』というチームを結成し「マイナビキャリア甲子園」に出場しました。キャリア甲子園は、高校生がチームを組んで課題解決に挑むビジネスコンテストで、1,738チームが出場する中、『そあにすと』は、書類審査やプレゼンテーション審査を通過し、6チームのみが出場権を得る決勝戦まで勝ち進みました。

今回、『そあにすと』の高校生3名にSAAがインタビューさせていただきました。アフリカの農業に興味を持った経緯をはじめ、現役高校生の国際協力や途上国に対する問題意識などリアルな声を伺いました。

土壌に着目したビジネスプランを作成!

SAAキャリア甲子園に出ようと思ったきっかけは何ですか?もともと農業やアフリカについて興味があったのでしょうか。

秋山:ビジネスについて学びたいという気持ちからビジネスコンテストに興味があったので、インターネットで検索し、たまたまマイナビキャリア甲子園にたどり着きました。出場を決めた段階では、テーマは決まっておらず、アフリカや農業に着目していたわけではありません。私たちが出場した年は、6つの企業が協賛していましたが、エントリー後に、各企業が提示するテーマの中から一つを選び、選んだ企業に向けてビジネスプランを提案しました。

SAA3人はもともとお友達だったんですか?

T.N.私が最初にビジネスコンテストに興味を持った段階では、メンバーが決まっていたわけではないんです。一緒に応募する友達が周りに見つからなかったので、インスタのストーリーで呼びかけたところ、伊藤さんが返事をくれました。そして、伊藤さんのつながりで、秋山さんも参加することになりました。もともとみんなクラスメイトだったり、知り合いではあったんですけど!

SAA「そあにすと」という名前の由来はなんですか?

伊藤: SoilとAnalysisを掛け合わせて作った造語です。私たちは「土壌」に着目して農業生産性の向上サービスを考えたので、「土壌分析する人」という意味で「そあにすと」で良いんじゃないとなりました。響きもかわいくて!

キャリア甲子園で発表したスライドを説明する「そあにすと」の皆さん

SAA約2,000のチームから勝ち抜き、決勝戦まで進出されたのは本当に素晴らしいですが、ビジネスプランはどのように考えましたか?

秋山:当初は、医薬品をテーマに考えましたが、なかなかアイデアが思いつきませんでした。ある日、地理の授業で、アフリカなど発展途上国の農業について学んでいたのですが、人為的に改良した高収量品種を取り入れても、その品種に適した肥料が必要になり、アフリカ農家は肥料を購入する資金的な余裕がないため、育てることができないと聞きました。

その授業がヒントとなり、「農業生産者の安定的な食糧生産」をテーマにしようと決めました。はじめは、それぞれの土壌にあった種子を開発すればよいのではと考えましたが、開発には非常に時間がかかることが分かり、既に存在する技術を用いるとともに、農家に情報提供を行い、農業生産性を向上させるというサービスを考えました。

SAAビジネスプランを作成するにあたり、大変だったことはありますか?

伊藤:キャリア甲子園での提案は、ビジネスとして成立させないといけないので、経済的に利益を出すということが一番難しかったですね。あとは、日本ではなく海外の農業の情報がなかなか出てきませんでした。そこで、専門家の人の話を伺いたく、ササカワ・アフリカ財団さんに質問を送りました。私たちが求める情報に回答いただいたので、準決勝プレゼンの重要なエビデンスになりました。

SAA問い合わせを受けた時、こちらも文面から熱意を感じました。質問がとても深い内容でしたね。プレゼンの準備はどれくらいかかりましたか?

伊藤:2021年の5月か6月ごろにエントリーして、テーマが発表されたのが7月。そこから翌年3月までやりました。3月は、テストの3日後に決勝戦があって、その時はバタバタでしたね。部活もやっていたので、かなりハードでした。

後編に続く・・・

【後編】途上国の農業にビジネスプランを提案!渋幕高校生チーム「そあにすと」×ササカワ・アフリカ財団

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